
遅ればせながら、最近この本を読みました。
The Paradise Garage誕生と終焉、そしてその前後の状況を克明に記した本、著者はWest End Recordsの創始者の1人メル・シェレンです。個人的にはAIDSという病気の流行がいかに彼と彼の周囲を取り巻く社会を蝕んでいったか、それがどれだけクラブ・カルチャーにダメージを与えたか、という箇所に驚きを覚えました。が、ここはレコードの話を・・・
この本によると、世界最初の12インチはAl Dowing "I'll Be Holding On"と言う曲らしいです。当時Tom MoultonがDJ用にアセテート(数回プレイしたら盤が駄目になる柔らかい素材のレコード盤)を作っていた時、ある日10インチ用のアセテートの素材が無く、時間も無かったので在庫があったLP用の(つまり12インチと同サイズ)ヴァイナルで溝を広げて制作したところ、これまでには聴いたことのないクオリティの音質で再生された、というところから始まったらしいです。このフォーマットをサルソウルがファンのために採用し限定盤で市販(多分タイトルはDouble Exposure "Ten Percent"でしょう)、これが大好評で12インチというフォーマットが急速に広まっていった、と記してあります。やはり、12インチというものは誕生からして音質ありき、クラブ・プレイありきなんですね。
ちなみにB面にインストが収録された初の市販用7インチは Ultra High Frequency "We're On The Right Track"という曲で、当時のDJ達にディスコでのプレイ時に2枚使いの自由さを与え大好評だったらしいです。この曲は後にSouth Shore Commissionのアルバムにもテイク違いが収められています。
これはこの本とは関係の無い話ですが、このアルバムに入っていて今でも耳にするスーパー・クラッシック"Free Man"、なんでも本来はかなり速いBPMで録音されたものらしいのですが、ダンス・フロアーに向かないため、ピッチをかなり落としてアルバムに収録されたらしいです。
『それが証拠に、男性ヴォーカルはこのグループにはいないだろう?』とある大物プロデューサーが言っていた、とあるスジから聞いたので本当かもしれません。
もしこの話が本当ならば、さすがのFree Manもダンス・フロアーの法則からは自由になれなかった、という訳ですか・・・
僕等には永遠に体験出来ないあの時代に思いを馳せ、興味深く読ませて頂きました。
では、今回はこの辺りで。
ディスコ好きな方は、
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